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2023.07.10 Mon 熱燗道具チロリビーカー熱燗湯煎

熱燗道具のご紹介(上級編)

熱燗道具の紹介

熱燗の初心者の方向けに熱燗道具のご紹介(入門編)という記事を書きましたが、
今回はそこからさらに熱燗の高みを目指していきたい方向けの道具紹介です。

実は飲食店の方々からも「熱燗道具」について聞かれることが多いので、それはこちらのページにまとめることにします。(アフィリエイトでお小遣いにもなるし笑)

下記が僕が現在(2023年7月)使用している本気の熱燗DJ道具たちです。

あくまでも僕の視点なので賛否両論あると思いますが、1人の熱燗DJのオススメとして考えてください。
※道具の前提:お鍋で湯煎して温める場合の熱燗道具

オススメ上級熱燗道具①:チロリ(錫・2合)

まずは錫のチロリです。

この錫のチロリは取っ手部分がステンレスになっているので使いやすいです。
見栄えを重視した錫の取っ手のチロリは温度が上昇するとグニャグニャして使いづらいです。

また、正直フタは邪魔なので僕は金ノコで切り取ってしまいました。
「なぜ錫のほうがいいの?」と聞かれると、科学的な根拠はよくわかりません。

ただ、めちゃくちゃ燗をつけてみても、やっぱりこっちのほうが美味しかった、からです。

オススメ熱燗道具②:チロリ(銅・2合)

続いて銅のチロリです。

検索するといくつかありますが、取っ手部分に藤のようなものが巻いてあるこれがいいです。持ちやすいので。

銅チロリはピンキリで安いものは薄っぺらいのですが、このチロリはしっかりと厚みもありつつ金額が良心的なのでオススメです。

「銅と錫の違いは?」と聞かれるのですが、これも科学的な根拠はよくわかりません。
ただ、銅が美味しい酒もあれば、錫やビーカーが美味しい酒もある。

これに関しては口で説明しても行動に転換できるような汎用性がないと思うので、今のところ100種類くらいのお酒を燗つけると錫がいいのか、銅がいいのかがわかってくる、という風に答えるようにしています。

チロリを買う優先順位をつけるならば、順番としては錫をまず買うことをオススメします。

オススメ熱燗道具③:トールビーカー 500ml

続いては耐熱ビーカーです。

錫、銅だけではカバーしきれないお酒が存在します。

耐熱ビーカーは錫や銅のチロリに比べると熱伝導率が低く、錫のような科学反応が起きない、という特性を活かした燗つけができます。(錫の酒器はよく「酒がまろやかになって美味しくなる」と言われます。これはなんらかしらの化学反応が起きているということなので、その反応が好転する場合もあれば暗転する場合もあります。なので、その反応が向かないようなお酒や、ある温度からは反応を起こさないようにするために移し替えたりする場合に使用します。)

ちなみにビーカーはトールサイズにしたほうが早くてオススメです。手も湯気で熱くならなりづらいです。

 

オススメ熱燗道具④:平盃

世の中に良い平盃がなかったので、造ってもらいました。

小池夏美さん作:つけたろうコラボの最高の平杯

愛知県常滑で磁器作家として制作されている小池夏美さんとコラボして完成した、燗酒が最高に美味しく飲める平杯です。

ポイントは「磁器の焼き締め」!

磁器で釉薬をかけておらず、手作業で極限まで細かく紙やすりで磨いていて、口当たりからもう異次元の気持ち良さです。

口元のはぞり、口径などは試作を重ねてこの形に辿り着きました。
僕は酒器マニアなのですが、これ以上美味しい平杯は知りません。

是非一度、この感動を体感してもらいたいです。

オススメ熱燗道具⑤:温度計

温度計に関しては好みもあるのですが、

こちらの温度計は「温度の反応が爆速」「温度の精度が高い」「防水」という部分を兼ね備えていて2000円代なのが最高です。

どうしても仕事で使うようになるとハードユーズしてしまうので温度計に関しては消耗品になります。かといって、安いものにしてしまうと寿命が早く、防水レベルも低く、温度に対する速度や精度も金額なりになってしまうので、結果としてコスパが悪い。10数種類を試した末に行き着いた温度計がこれでした。

オススメ熱燗道具⑥:低温調理器(酒燗器として代用)

「燗すけ」もいいですが、僕は低温調理器派です。

低温調理器をの使う3つの理由

①お湯を攪拌(かくはん)しながら温度をキープしてくれる
攪拌してお湯を回し続けるということは、チロリに接する湯温も常に一定に保てる、ということ。なので、常に同じ条件でお酒の温度を上昇させられる。

②15Lの寸胴などに入れて使用できる
湯煎の鍋の湯量が少ないと2〜3本チロリを一気に入れてしまうと燗床の温度が下がってしまいます。その点、15Lくらいあればチロリをいくら入れようがへっちゃらです。

③ガスコンロと併用できる
屋外や酒蔵のイベントに出展したりすると、めちゃめちゃ寒かったり、風がめちゃくちゃ強かったりします。そうすると低温調理器だけでは温度をキープしきれなくなります。ガスコンロだけだと湯煎の温度を一定にキープするのが困難になります。その時に寸胴に低温調理器を差すスタイルであれば、下にガスコンロを設置できるので、上下から加熱して冬の屋外でも燗床をキープできるんです。

オススメ熱燗道具⑦:IH対応 半寸胴 27cm

湯煎の湯量が少ないと温度が下がりやすくなってしまいます。

水からお湯にするまでをIHでもガス火でも高火力で加熱できるように、IH対応の寸胴をオススメします。

このサイズ(27cm)であれば、チロリは最大5本くらいはかけられます。他にもIH対応の寸胴はありますが、この寸胴は取っ手が金色だからカッコイイ。しかも比較的リーズナブルなお値段で買えるし。低温調理器で水からお湯にするのは時間がかかるので、最初の水からお湯にするまでをガス火やIHで早く沸かせるのはすっごく便利です。

 

いかがでしたでしょうか。

道具に関しては熱燗を提供する場所やスタイルで大きく変わってくるとは思いますが、僕の場合は出向いて出演することが多いので「どこへ行っても同じ条件で熱燗をできるようにする」という部分を重視して道具を揃えています。

誰かの参考になったら幸いです。

熱燗の初心者の方向けに熱燗道具のご紹介(入門編)はこちらからどうぞ。

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